ダブルケアとは?育児と介護が重なる生活を続けている私の体験談

ダブルケアとは 育児と介護が重なる生活 7年続けた体験談 ダブルケア

「ダブルケア」という言葉を初めて聞いた方も、
自分がそうかもしれないと感じている方も、
ここに来てくれてありがとうございます。

この記事では、第一子生後1ヶ月から7年以上ダブルケアを続けてきた私が、
定義だけでなく「実際のところどうだったか」を正直に書いています。

祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
プロフィール

ダブルケアとは

「育児」と「親・親族の介護」が同時期に重なる状態を指す言葉です。

介護する相手は親だけとは限りません。私の場合は祖母です。

祖父母、配偶者の親、きょうだいの介護をしながら子どもを育てている場合も、ダブルケアにあたります。介護保険を使っているかどうかも関係ありません。

内閣府が2016年に公表した調査では、ダブルケアをしている人は国内に約25万人いると推計されました。
ただし、これは2012年の就業構造基本調査など、当時の公的統計をもとにした推計です。現在の人数を示したものではありません。
内閣府「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」について

私自身、「ダブルケア」という言葉を知ったのは、第二子が産まれたあとのことでした。

友人からの年賀状に

「ダブルケア大変だと思うけど、身体に気をつけてね。」

と書かれていて、初めてその言葉を知りました。

そのとき、
「あ、これに名前があったんだ」と思ったのを覚えています。

看護師×3児の母が経験しているダブルケアの実態

私は、第一子が生後1ヶ月のときから
祖母との同居と在宅介護が始まりました。

現在は子どもが3人になり、6人家族で生活しています。

祖母は同居前、認知機能の低下はあったものの
身の回りのことは自分でできる状態(要介護1)でした。
入浴だけはデイサービスでお願いしていました。

その後、転倒による骨折や脳梗塞を経て、
現在は要介護4

ベッド上での生活が中心となり、
移動は全介助で車椅子を使用しています。

看護師として働いてきた経験があるので、
介護の知識はある方だと思います。

それでも、自分の家族のこととなると、全然違いました。

ダブルケアは、介護と育児を足しただけではなかった

ダブルケアで一番大変なのは、
トラブルが重なることです。

例えば

  • 夜中に子どもが泣いていると思ったら、祖母も起きて外に出てしまった。
  • 子どものイヤイヤのピークと、デイサービスの送迎が重なった。
  • 家族の誰かが体調を崩すと、一気に全員にうつっていく。

こういうことが、普通に起きます。

やるべきことが一気に増えると、
メンタルはかなり削られます。

自分が風邪で倒れると、介護も育児も止まります。
誰もやる人がいなくなるのです。

自分が倒れたときのことを書いた記事はこちら
7|私が倒れたら、我が家は回らない

また、子育て、介護、家事、仕事とタスクが多く、
自分の時間は「絞り出すもの」でした。

「ゆっくりお茶を飲む」
それだけのことが、できない日もありました。

一番つらかったのは、祖母が動けた頃だった

私は同居を始める前、

「祖母が自分のことをできなくなったら、施設を考えよう」

と思っていました。

介助量が増えたときが、いちばん大変になると思っていたからです。

でも、実際は違いました。

私がいちばんつらかったのは、祖母が自分で歩き回れていた時期です。

同じ質問を何度も繰り返す。

冷蔵庫や棚を開け、食べ物を探す。

外へ出ていこうとする。

止めても、そのやり取り自体を祖母は忘れてしまいます。

自分で動けるからこそ、常に今どこにいるのか、何をしているのかを気にする必要がありました。

現在は、おむつ交換や車椅子への移乗など、身体的な介助は増えています。

それでも精神的には、今のほうが楽です。

介護の大変さは、要介護度や介助量だけでは測れないのだと思います。

“動ける認知症の時期”の様子は、こちらの記事でも書いています
祖母を「汚い」と思ってしまった私|産後メンタルと在宅介護で悩んだ気持ち
動ける認知症が一番つらかった|在宅介護でしんどかった時期の話

介護量が増えた生活の様子は、こちらの記事でも書いています
6|祖母のベッドは子どもたちの遊び場だった

祖母の介護をしてよかったこと

大変なことばかりではありません。

子どもたちは祖母のことが好きで、
それが日々のモチベーションにもなっています。

「ばあちゃん100歳まで生きてほしい」
「6人家族になったね」

そんな言葉を聞くと、
続けてきてよかったと思えます。

また、介護を通して

  • 人は老いること
  • できていたことができなくなること
  • そしていつか亡くなること

を、子どもたちは自然に受け取っています。

これは、私が伝えたかったことのひとつでもあります。

現実的な話をすると、
祖母の年金が家計の支えになっている部分もあります。

これからダブルケアを始める人に、簡単には勧められない

もし今、

「親や祖父母と同居して、育児をしながら介護しようと思っている」

と相談されたら、私は簡単に「大丈夫だよ」とは言えません。

平和に暮らせていても、転倒や病気ひとつで生活は変わります。

育児は、子どもの成長とともに少しずつ変化していきます。

一方で介護は、いつ、どのように状態が変わるのか予想できません。

始める前に、少なくとも次のことは話し合ったほうがいいと思います。

  • 主に介護するのは誰か
  • 夜間の対応は誰がするのか
  • 介護する人が病気になったらどうするか
  • デイサービスやショートステイを使えるか
  • 子どもの生活に影響が出たとき、どうするか
  • 在宅介護を続けられなくなった場合、施設を検討できるか

わが家では、

「子どもが幸せでなくなるなら、介護は続けない」

という基準を決めました。

実際には、どこまでが大丈夫で、どこからが無理なのか、簡単には判断できません。

それでも、子どもを後回しにしてまで介護を続けないことは、今も変わっていません。

どこに相談すればいいか

ダブルケアは、家族だけで抱えると行き詰まります。先に窓口を知っておくと、いざというときに動きやすくなります。

  • 地域包括支援センター|介護のことの入口です。まだ介護保険を申請していなくても相談できます。場所は市区町村の窓口で教えてもらえます。
  • 担当のケアマネジャー|すでに介護保険を使っているなら、まずここへ。
  • 市区町村の子育て支援の窓口|育児側の負担が重いときは、こちらも一緒に。自治体によっては、ダブルケアの相談窓口を設けているところもあります。

わが家も、デイサービスとショートステイを組めるようになってから、ずいぶん楽になりました。

私はダブルケアを後悔していない。でも、誰にでも勧めたいとは思わない

祖母との同居や在宅介護を後悔しているかと聞かれたら、答えは「いいえ」です。

大変なことはありますが、現在、私たち家族は穏やかに暮らせています。

ただ、わが家で続けられているからといって、誰にでも同じ選択ができるとは思いません。

家族の人数、仕事、家の広さ、介護する人の体調、利用できるサービスによって、状況は大きく変わります。

在宅介護を選ばないことも、途中でやめることも、その家族にとって必要な選択だと思います。

このブログでは、うまくいったことだけでなく、祖母を汚いと思ったこと、怒鳴ったこと、介護をやめたいと思ったことも書いています。

子育てと在宅介護が同時に始まった、私のダブルケアの記録はこちら
なめていた私のダブルケア【体験記】まとめ

今のダブルケアの1日の様子についてはこちら
ダブルケア家庭の1日スケジュール|子ども3人と要介護4の祖母がいる暮らし

ダブルケアをしていて手放したものについてはこちら
ダブルケアが限界だった私が手放してよかったこと6つ|宅配食・洗濯機・ショートステイ

介護のお金と制度については、こちらにまとめています
介護のお金まとめ|わが家が実際に使った制度と、かかった費用

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