ダブルケアをしていることを打ち明けると、よく聞かれることがあります。
「旦那さんはどう思ってるの?よく受け入れてくれているね。」
今回は、我が家の夫の話をします。
結論から言うと、夫は「なんでも先回りしてくれる人」ではありません。
でも、寛大で、私の決めたことを否定しない人。
この人だったから続けてこられた——そんな話です。
夫は「介護」を知っている人だった
夫が小学3年生のとき、義母が脊髄を損傷しました。
それ以来ずっと寝たきりで、義父が自宅で介護をしています。
だから夫にとって、
「家族が寝たきりになること」も「自宅で介護すること」も、
特別なことじゃなかったのだと思います。
私が祖母の在宅介護を始めると決めたとき、
夫が驚かなかったのは、そういう背景があったからかもしれません。
「あなたが決めたなら、応援する」というスタイル
夫は基本的に、私の意見を尊重してくれます。
私が決めたことは応援する、というスタンスでいてくれています。
介護についても同じ。
私が決めたことは、最終的にはいつも受け入れてくれました。
祖母の年金は、家の収入の一部として使わせてもらっています。
だから夫は、介護を「私がしている仕事のひとつ」として見てくれている——
そんな感覚だと思います。
介護をしていると、排泄介助のにおいの問題や、
デイサービスの送迎による時間の制約など、
家族に負担をかけてしまう場面がどうしても出てきます。
そんなときでも夫は、嫌な顔ひとつしない。
それどころか、「ありがとう」と言ってくれる。
それが、私にとってはすごく助かっていました。
「言えばやるよ」の夫と、どう分担してきたか
夫は、自分から動くタイプではないけれど、
頼めばやってくれる人です。
今、任せているのは——
- 夜のキッチンとリビングのリセット
- 朝の食器の片付け
- 子どもの園の準備
- ごみ捨て
- お風呂掃除
任せられることは、全部任せています。
でも、最初からこうだったわけではありません。
もともと私は、人にお願いするのが苦手。
「自分でやったほうが早い」と思うタイプでした。
それでも、何度もキャパオーバーを経験するうちに、
「これ、やってほしい」と少しずつ言えるようになって。
自分が抱えていたことを、一つずつ渡していけるようになりました。
夫に任せられるようになるまでの「手放す」過程は、こちらにも書いています。
▶ダブルケアが限界だった私が手放してよかったこと6つ|育児と介護を両立する7年目のリアル
一度だけ、はっきりぶつかったこと
夫婦仲良くやってきた、と書くと嘘になります。
一度だけ、はっきりぶつかったことがあります。
2人目を出産するときの、夫の育休の話です。
私は「育休を取ってほしい」と思っていました。
でも夫のスタンスは、
「1週間くらいは有給で休むよ。育休は、辛くなったら取るよ。」
——辛くなってからじゃ、遅い。
上の子は職場の託児所に預けていたので、
産休になった瞬間から、自宅保育が始まります。
そこに、生まれたばかりの赤ちゃん。
さらに、祖母の介護。
そして、家事まで。
生まれる前から大変になるのは、わかっているのに。
しまいには、私はこう言っていました。
「じゃあ、私がノイローゼになったら、鬱になったら育休取ってくれるってこと?
もう、それが不安でおかしくなりそう。」
それを伝えて、夫は3ヶ月、育休を取ってくれることになりました。
夫との分担を含めた、我が家の1日の流れはこちらです。
▶ダブルケア家庭の1日スケジュール|子ども3人育児と祖母の在宅介護を両立する生活
▶介護と仕事の両立|3人目出産前まで働いていた頃の1日
「妻の役に立ちたい」と社報に載った夫
後から聞いた話です。
当時、夫の職場では、男性で育休を取った人が一人もいなかったそうです。
夫が最初に言い出すのは、相当言いにくかったらしい。
それでも夫が育休を申請したことで、
社報に取り上げられるくらいの出来事になったようで、
そのあと、職場で育休を取る男性社員が増えたとか。
その社報に、こう書かれていました。
「妻の役に立ちたかったから」
……ありがたいんだけど、ちょっと「ん?」と思う部分もあって、笑。
役に立ちたかったから、だったっけ?
私が頼み込んで、しぶしぶ取ってくれたんじゃなかったっけ?
でも、本当にありがたかったです。
介護を「否定しない人」がいるだけで、違う
振り返ってみると、うちがなんとかやってこられたのは、
夫が「介護を否定しない人」だったことが大きかったと思います。
やってくれなくてもいい。
でも、否定しないでいてくれること。
「ありがとう」「お疲れさま」と言ってくれること。
それだけで、ずいぶん違います。
介護も育児も、どちらかが全部抱えようとすると、しんどくなります。
「言えばやる」でも「頼めば動く」でも。
一緒にいてくれる人がいると、それだけで続けられる気がします。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
我が家のダブルケアが、どんなふうに始まって、
どんな7年だったのか——その全部を、全13話の体験記にまとめています。

