「それより、あなた大丈夫?」
その一言で、涙が出てきた。スマホを持ちながら、止まらなかった。
第一子が生まれて、10ヶ月ほど経った頃の話です。
育休は1年の予定だったので、そろそろ職場に連絡をしないといけない時期でした。
もともと祖母は一人暮らしをしていたし、
デイサービスに行って帰ってくる、という生活ができると思っていました。
でも実際は、全然そうじゃなかった。
徘徊があって、新築の家に一人でいさせるのが怖い。
鍵を持たせるのも不安。夜勤もある。
どうすればいいんだろう——そんな気持ちを抱えたまま、スマホで職場に電話をかけました。
とりあえず、現状を伝えようと思って。
時短勤務にしてもらって、
デイサービスの送迎の時間には家にいられるようにしたい。
できれば外来勤務にしてもらえないか。
夜勤は、どうすればいいのか。
看護部長と直接話すのは、ほとんど初めてでした。
「厳しい人」という印象だけがあって、少し緊張しながら電話をし、
なんとか状況を伝えました。
看護部長からは、
時短勤務は可能なこと。
外来への異動も調整できること。
ただ、夜勤は完全には免除できず、
月に1〜2回は必要になることを伝えられました。
そして、話が一段落したあとに——
「それより、あなた大丈夫?」
と声をかけられました。
その瞬間、涙が出てきました。
腕の中で眠っている子どもを抱きかかえたまま、スマホを耳に当てて、泣いていました。
自分でも、なぜか分からなかった。悲しいわけじゃない。
でも、止まりませんでした。
「おばあちゃんの人生も大切かもしれないけど、
あなたはあなたの人生を大切にしなさい」
「子どももいるんだからね」
正直、この言葉はすぐには入ってきませんでした。
祖母の家を建て替えたこともあって、
祖母の生活は守らないといけない。介護は私がやるべきことだ、とずっと思っていました。
でも、じわっと——
「私、けっこうがんばってるよね」
って、思えた。
無理していたのかどうかは、正直よく分かりません。
でも、
がんばっていることを誰かに認めてもらえたことが、
すごく嬉しかったのを覚えています。
それまでは、夫と2人で、なんとかやるしかないと思っていました。
でも、
誰かに「大丈夫?」と言ってもらえて、
少し肩の力が抜けた気がしました。
そこから、
少し手を抜いてもいいかもしれない、
と思うようになりました。
ショートステイを使ってみようと思えたのも、
その頃からです。
全部を抱え込まなくてもいい、と思えたのは、あの電話があったからだと思います。
「大丈夫?」
たった一言で、人はこんなに変われるんだと思いました。
もし今、ひとりで抱え込んでいるなら——
「助けを求めること」も、大切なケアのひとつです。手を抜くのは逃げじゃない。
あなたが長く続けるための、立派な選択だと思います。
「手を借りること」を考え始めたあの頃、こんなサービスを知っていたら、もっと早く使っていたと思います。
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