
エンシュアを処方されていても、「飲めない」時期があります。
わが家の祖母も、嚥下(飲み込む力)が弱くなって、液体のエンシュアがうまく飲めなくなった時期がありました。そのときによく作っていたのが、エンシュアゼリーです。
材料は3つ。混ぜて冷やすだけです。
当時作っていた分量と作り方、そしてあとから調べて分かった注意点まで、まとめて残しておきます。
▶プロフィール

この方法は私が自分で考えて行ったもので、主治医や言語聴覚士さんに確認したレシピではありません。
そしてここが、いちばん大事なところです。一般的な粉ゼラチンで作ったゼリーは、口や喉に長くとどまると体温で溶けて、液体に戻ります。飲み込むまでに時間がかかる方や、口の中にため込んでしまう方の場合、いちばんムセやすい形に戻ってしまうということです。
「ゼリーにすれば安全」ではありません。エンシュアの形を変えるときは、主治医や言語聴覚士さんに相談してください。
参考:嚥下調整食分類2021|日本摂食嚥下リハビリテーション学会
なぜゼリーにするのか
嚥下が弱くなると、サラサラした液体は一番ムセやすい形状になります。ゼリー状にすると、口の中でまとまって、ゆっくり喉を通るので、飲み込みやすくなります。
「せっかく処方された栄養剤が飲めない」——そのままやめてしまう前に、形状を変えるという手があります。
※嚥下の状態は人それぞれです。ゼリー状でもムセる場合は無理をせず、主治医や訪問看護師さん、言語聴覚士さんに相談してください。
ムセが続いたあとに熱が出たり、いつもより元気がなかったりするときは、肺炎のサインのこともあります。見ておきたいサインはこちらにまとめています。
▶高齢者が肺炎かも?と思ったら家庭でできること|看護師の観察ポイント
材料(エンシュア1缶ぶん)

- エンシュア 1缶(250ml)
- お湯 50ml
- 粉ゼラチン 1袋(5g)
写真で使っているのはエンシュア・H 1.5(コーヒー味・250ml)です。
ひとつ書いておくと、エンシュア・Hの添付文書には「本剤は水で希釈することなく使用すること」とあります。お湯を50ml足すこの方法は、メーカーが案内している使い方ではありません。水分量やカロリーを厳密に管理している方は、特に注意してください。
参考:エンシュア・H 添付文書(アボット)
作り方(3ステップ)



- ボールにお湯を入れてゼラチンを溶かす:80度のお湯(50ml)にゼラチンを溶かします。
- 1のなかにエンシュアを入れて混ぜる:ここが勝負どころ。次のコツを読んでください
- 容器に分けて冷蔵庫で冷やして固める:1回分に分けて冷蔵庫で約1時間冷やします。祖母はよく食べたので大きな容器に全部入れていました。
当時使っていたのは、森永のクックゼラチンです。5gずつ個包装で、計量しなくていいので楽でした。
固まらないときは|とにかく「しっかり混ぜる」
エンシュアは、ゼラチン液となかなか混ざりません。
混ざりが弱いまま冷やすと、固まりきらずにトロトロのままになってしまいます。
底に溜まっているゼラチンを溶かすように、50回くらいしっかり混ぜてください。
小さめの泡立て器を使うと溶かしやすいです。
これさえ守れば、失敗しません。
▶我が家で使用している泡立て器。
味噌汁などの計量にも使えてとっても便利なグッズです。
いま作るなら、専用のゲル化剤を使います
今回この記事を見直すなかで、濃厚流動食をゼリー状にするための専用のゲル化剤があることを知りました。
ニュートリーの「ソフティア」で、濃厚流動食に対応しているのはiGとENSの2つです。
iGが200ml用(1包5g)、ENSが250ml用(1包7g)。エンシュア・Hは1缶250mlなので、対応するのはENSのほうになります。
いちばん大きいのは、この製品はエンシュアに水を足さないことです。上に書いた「水で希釈しない」という添付文書の話を、そもそも気にしなくてよくなります。
ただし、メーカーのQ&Aには経口摂取以外(経管から入れる場合)は医師に相談するようにと書かれています。使う前に一度、主治医か管理栄養士さんに聞いてください。
処方されたエンシュアの代金は、医療費控除の対象になります。ほかに何が対象になるかは、こちらにまとめています。
▶介護家庭の医療費控除まとめ|おむつ代・通院交通費・栄養剤は対象になる?
まとめ
- エンシュア1缶+お湯50ml+粉ゼラチン1袋(5g)
- お湯でゼラチンを溶かす→エンシュアと混ぜる→冷やすだけ
- 小さい泡立て器でしっかり混ぜないと、トロトロのままになる
- ゼラチンのゼリーは、口の中に長くとどまると体温で溶けて液体に戻る
- エンシュア・Hの添付文書は「水で希釈しない」となっている
- いま作るなら、濃厚流動食専用のゲル化剤(ソフティアENS)を使う
祖母はゼリーにするとよく食べてくれたので、当時はいい方法を見つけたと思っていました。
ただ、同じ分量で作れば大丈夫だと思われないように、分かったことも一緒に残しておきます。
エンシュアと保険の話はこちらに書いています。
▶エンシュアが保険適用外になる?2026年6月改定で在宅介護に起きること
誤嚥を防ぐ食事の姿勢や口のケアはこちら。
▶在宅介護で防ぎたい3大トラブル|誤嚥性肺炎・尿路感染・褥瘡の予防まとめ
ほかの在宅介護のケアは、こちらにまとめています。
▶在宅介護のケアまとめ|わが家が実際にやっている方法

