「正直、
おむつ交換よりもしんどかったです。」
動ける認知症の時期。
今は介助量は増えましたが、
あの頃のほうが、ずっとつらかった。
これは、実際に一緒に暮らして初めて分かったことです。
最初は「軽い認知症」だと思っていた
看護師として働いていると、認知症についてはなんとなく分かっているつもりでした。
認知症のある高齢患者さんは確かに大変です。
点滴は抜かれるし、安静と言っても歩いてしまう。
でも同時に、
- 日常生活リズムを崩さない
- できることは任せる
- 安心できる声かけをする
そんな「穏やかな関わり方」も分かっているつもりでした。
祖母は会話も成立していたし、一人暮らしもできていました。
どちらかというと口数は少なく、
テレビを静かに座って見ているような人で、
「ちょこんと座っている、かわいいおばあちゃん」
そんなふうに思っていました。
正直、なめていました。
「祖母なら大丈夫、私なら大丈夫」だと、どこかで思っていました。
実際に生活してみて見えてくるもの
同居前から、少し引っかかる部分はありました。
「環境が変わると混乱するかもしれない」
その予感は、見事に当たりました。
- デイサービスはまだか?
- 今日は何月何日だ?
同じ質問を、何度も何度も繰り返します。
1分も経たないうちに、また同じことを聞かれる。
「さっき答えたばかりなのに」
その感覚が、何度も何度も続きます。
1日に何十回も同じやり取りをしていると、
少しずつ余裕が削られていきました。
ここまで短期記憶が弱くなっていたのかと、正直驚きました。
一番きつかった理由|休めない
仕事では気にならなかった「同じ質問の繰り返し」
仕事なら、勤務時間が終われば終わりがあります。
でも家では終わりがありません。
ずっと続きます。
これが、想像以上にストレスでした。
さらに当時は、初めての育児で、
「こうするべき」というルールが自分の中に強くありました。
「泣いたらすぐ抱っこ」
「笑顔でちゃんとやらなきゃ」
今なら、
「ちょっと待っててね」と言えますが、
当時はそれができませんでした。
気づけば
- トイレに行けない
- ごはんを食べられない
- 歯磨きもできない
そんな日々でした。
宅配食を利用していましたが、食べる時間がない日もありました。
それでも、「食べるものを準備しなくていい」というだけで、本当に助かりました。
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子育てと介護とのダブルでつらかったこと
育児と介護が重なると、
休む時間がほとんどありません。
夜泣きと、認知症による不穏や行動。
昼も夜も関係なく、対応が続きます。
子どもが泣いていて抱っこしようとすると、
「デイサービスはまだか」と声がかかる。
どちらに対応しているときも、頭の中にはもう一方のことがある。
処理しきれないまま、次々とやってくる。
気づいたら、頭がパンパンになっていました。
産後メンタルと介護の相性の悪さ
もうひとつ大きかったのが、
産後のメンタルの変化でした。
祖母の
- トイレットペーパーの使用量が少ない
- 手洗いが不十分
そういったことが気になるようになり、
「祖母=汚いもの」と感じてしまうこともありました。
- 子どもを近づけない
- 触ったものを消毒する
いわゆる「ガルガル期」だったと思います。
高校の先生に
「点滴と間違えて牛乳入れるなよ」
と言われるくらいには適当な人間でした。
そんな自分が、ここまで神経質になるとは思っていませんでした。
このときの気持ちは別記事に詳しく書いています。
▶祖母を「汚い」と思ってしまった私|産後メンタルと在宅介護で悩んだ気持ち
今だから思うこと
今は介助量は増えています。
おむつ交換や移乗など、
身体的な負担は確実に増えました。
それでも、
今のほうが楽です。
あの頃のほうが、
ずっとしんどかった。
身体が大変になっても、気持ちが穏やかでいられる時期があります。
逆に、身体はまだ動けるのに、精神的にじりじりと削られていく時期もあります。
介護の大変さは、介助量だけでは測れないと、今は思います。
育児・介護をしている|同じ状況の人へ
もし今、同じような状況にいる人がいたら。
あの頃の自分に言えるとしたら、「もっと手を抜いていい」と伝えたいです。
食事を外注していい。
介護だって、誰かに頼っていい。
介護保険外で必要なときだけスポットで頼めるイチロウというサービスがあります。「施設に預ける」ではなく「今日だけ少し離れる」という使い方ができる。そういう選択肢を、あの頃の私は知りませんでした。
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完璧にやろうとしなくていい。
それだけで、少し楽になれたかもしれません。
つらいと感じるのは、普通のことです。
今の状況は、ずっと続くわけではありません。
そう思えなかった時期もありましたが、ちゃんと変わっていきました。
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第一子出産後から始まった在宅介護と育児の記録です。
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