寝たきりや車椅子の介護をしていると、気になることがいくつか出てきます。
床ずれ(褥瘡)はできていないか。
手足が固まってきていないか。
足がむくんでいないか。
実はこれら、全部
「同じ姿勢が長く続くこと」
が原因のひとつです。
共通の対策が、クッションで姿勢を整えることです。
この記事では、同じように悩みを持つ介護者に向けて、
少しでも日々の介護が楽になるように、わが家のクッションの使い方と、実際に使っている5個(合計12,430円)を紹介します。
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なぜクッションが必要なのか|同じ姿勢が体に与える影響

動ける人は無意識に体を動かしています。
寝返り、足を組む、背伸びをする。
こういった何気ない動きが、体への負担を分散しています。
でも麻痺や筋力低下があると、自分では姿勢を変えられません。
同じ場所に圧力がかかり続けると褥瘡(床ずれ)になり、
筋肉や関節が縮んだまま固まると拘縮になり、
血液やリンパの流れが滞ると浮腫(むくみ)になる。
クッションで姿勢を整えると、この3つに同時に手を打てます。
褥瘡(床ずれ)を防ぐクッションの使い方

褥瘡ができやすいのは、骨が出っ張っている場所です。
皮膚と骨の間に脂肪や筋肉が少なく、圧力が集中しやすいからです。
祖母の場合は麻痺している側の肘、背中の骨の出っ張り、かかとが特に心配です。
自分で体を動かせないため、同じ場所に体重がずっとかかり続けます。
対策は、圧を一か所に集中させないこと。
横向きに寝るときは背中にクッションを入れて体を支え、肘やかかとは浮かせるようにします。
「一か所に重さを集めない」という意識で置き場所を決めると、判断しやすくなります。
▶腰を痛めない体位変換のやり方|向きを変える・上にずらす・起こす【看護師が図解】
▶スキンテアとは?高齢者の皮膚がめくれるのを防ぐ方法|移乗・着替え・保湿の工夫【看護師解説】
拘縮を防ぐクッションの使い方


麻痺があると、筋肉は内側に縮もうとする性質があります。
祖母の場合、
右腕はぎゅっと体に引き寄せられ、
右手はグーの形に固まりやすく、
両脚は内側に向いてきます。
放っておくと、そのままの形で固まってしまいます。
クッションは「縮もうとする方向の逆に置く」のがポイントです。
腕と体の間に入れて脇を少し開く、
膝の間に挟んで脚が内側に倒れるのを防ぐ、
手の平には丸めたタオルを入れることもあります。
ただし、手に物を握らせる方法は合わない人もいます(かえって握り込みが強くなることがあります)。
また、無理に反対方向へ伸ばすのはNGです。
固まった関節を力で伸ばすと、筋肉や靱帯を痛めてしまいます。
痛がらない範囲で、そっと支えるだけで十分です。
完璧な姿勢でなくても大丈夫です。
「ほんの少し隙間をつくる」だけで全然違います。
拘縮予防について詳しくはこちら
▶拘縮とは?在宅介護でできる予防法|クッション・リハビリ・タオルの注意点【看護師解説】
むくみを軽減するクッションの使い方

祖母はデイサービスに通っています。
日中は車椅子に座っている時間が長いため、
家に帰る頃には両脚がパンパンに腫れています。
むくみの原因は、血液やリンパ液が重力で脚に溜まること。
対策はシンプルで、「寝ているあいだ、脚を高くしておく」こと。
寝るときに足元にクッションを重ねて入れ、脚を少し高くする。
それだけで翌朝にはかなり改善しています。
夕方に帰宅したときと翌朝の脚を比べると、
むくみの差がはっきりわかります。
ただし、片脚だけが急に腫れた、赤みや強い痛みがある、息切れをともなう——そんなときは、脚を上げて様子を見ないでください。
心臓や腎臓の病気、血栓が隠れていることがあります。すぐに主治医か訪問看護師さんに連絡を。
我が家で実際に使っているクッション
クッションはいろいろ調べました。
わが家にあるのは5個

MOGUの介護用ポジショニングクッションを、種類ちがいで5個そろえています。
| クッション | 個数 | 1個の値段 |
|---|---|---|
| 筒型クッションロング(茶色) | 1個 | 4,950円 |
| 筒型クッション | 2個 | 1,760円 |
| 四角いクッション(36cm角) | 2個 | 1,980円 |
| 合計 | 5個 | 12,430円 |
それぞれの使い方はこうです。
- 筒型クッションロング(茶色)1個
いちばん出番が多いです。仰向けのときは膝から太ももの下に通し、横向きのときは脚のあいだに、拘縮予防では∩の形にして両脚をまたぐように入れています。 - 筒型クッション 2個
横向きのときの背中、車椅子での脇と肘のあいだ、膝のあいだ。「すきまを作る」用です。 - 四角いクッション(36cm角)2個
かかとやふくらはぎの下、肘の下。面で支えたいところに使います。
今使用しているクッションのよかった点をまとめると
- パウダービーズが体の形に沿うので、骨の出っ張りがある部分にも自然にフィットする
- やわらかくて当たりがやさしいので、麻痺側の皮膚が当たっても痛みが出にくい
- サイズと形の種類が豊富で、膝の間・脇の下・足元など用途に合わせて選びやすい
- 病院で使っているポジショニングクッションと比べると高価ではなく、在宅で気軽に揃えられる
使ってみて分かった、正直な欠点
カバーが別売りで、しかも高いことです。
本来は本体にカバーをつけて、汚れたらカバーだけを洗う商品です。でもカバーまでそろえると出費がかなり増えるので、わが家は本体だけを買いました。
その結果どうしているかというと、本体を洗濯機で丸洗いしています。
商品には洗えないと書いてあるので、これは完全に自己責任です。大きなランドリーネットに入れて洗っています。
生地が破れて中のパウダービーズが出てしまったら、たぶん洗濯機のほうが壊れます。
介護のクッションは、どうしても汚れます。それを分かったうえで私はこの方法を選びましたが、同じようにするかどうかはご自分で判断してください。
カバーを買えるなら、カバーを買うのがいちばん安全です。
わが家で使っているランドリーネットはこちら
わが家の5個は、MOGUの公式ストアで買いました。
手の拘縮予防に、わが家では丸めたタオルを使っていますが、専用のものもあります。
よくある質問
枕や丸めたバスタオルで代用できますか?
正直に言うと、代用でも大丈夫だと思います。わが家も手の拘縮対策にはタオルを使っています。
ただ、実際に毎日やってみて思うのは、用途ごとのサイズが揃っていると、ポジショニングは格段にラクだということ。ポジショニングは1日に何度もやり直すものなので、「サッと置くだけで形が決まる」ことの価値が意外と大きいんです。丸め直したタオルは崩れますが、専用クッションは崩れません。
まずはタオルで試してみて、「毎日のことだから楽をしたい」と思ったら専用品をそろえる、という順番でいいと思います。
クッションだけで褥瘡は防げますか?
クッションは大事な柱ですが、それだけでは防げません。栄養・体位変換・マットレスとの合わせ技です。わが家はエアマットも使っていて、この組み合わせで褥瘡ゼロを続けています。
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まとめ|完璧にやらなくていい
褥瘡・拘縮・むくみ、全部対策しようとすると、大変に感じます。
でも全部に共通しているのは「姿勢を整えること」です。
クッション1個置くだけで、3つ同時に対策できることもあります。
毎日完璧にやらなくていい。
できる日に、できる範囲で。
それを続けることの方が、ずっと大事だと思っています。
この記事は看護師としての経験と一般的な知識にもとづく、わが家のやり方です。適した当て方はその方の関節の動きや体格によって異なります。
同じ場所の赤みが消えない、皮膚がめくれている、クッションを当てると痛がる——そんなときは、当て方を変える前に訪問看護師さんや主治医にご相談ください。

