在宅で介護をしていると、ふと思うことがあります。
「手足の動きが悪くなっているな、このまま固まっていくのかな…」と。
でも、何をすればいいのか分からない。
同じように感じている方に、我が家でやっていることをお伝えします。
祖母は脳梗塞で、右半身麻痺になりました。
右の手足はほとんど動かせません。
動かせない状態が続くと、心配になるのが「拘縮」です。
拘縮が進むと、
・着替えがしにくくなる
・おむつ交換や陰部洗浄が大変になる
・関節が変形してしまうことがある
といった影響が出てきます。
また、同じ姿勢が続くことで体の一部に圧がかかり続けると、
褥瘡(床ずれ)のリスクも高くなります。
特に手の拘縮はやっかいで、
・手が開かなくなる
・爪が切りにくくなる
・伸びた爪で手のひらを傷つけてしまう
といったことが起こり得ます。
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拘縮とは|動かさない関節が、固まっていくこと
拘縮(こうしゅく)とは、関節を動かさない状態が続くことで、関節まわりの筋肉や皮膚が縮み、関節が固まって動く範囲が狭くなっていくことです。麻痺のある側や、寝たきりで動かす機会が減った体に起こりやすくなります。
拘縮が進むと、困ることが日常のあちこちに出てきます。
- 腕や脚が曲がったまま固まり、着替えやオムツ交換がしにくくなる
- 手がグーの形で固まると、手のひらに爪が食い込んだり、中が蒸れて不潔になったりする(▶高齢者の爪切りは感染対策|目やにの原因が「汚れた爪」だった話)
- 本人にとっても、無理に動かされると痛い
そして一度固まった関節を家庭で元に戻すのは、正直かなり難しい。だから「固まる前に、毎日少しずつ動かして防ぐ」が全てです。
ひとつだけ注意を。拘縮予防といっても、固まりかけた関節を無理に伸ばすのは危険です(痛みや骨折につながることがあります)。動かすのは「痛みが出ない範囲」まで。迷ったらリハビリの専門職(訪問リハビリやデイのスタッフ)に確認してください。
1年4ヶ月たって、拘縮は進んでいません
わが家が拘縮予防を始めたのは、祖母が脳梗塞で右半身麻痺になってから。1年4ヶ月になります。
結果から言うと、拘縮は進んでいません。むしろ、拘縮予防のリハビリを少しずつ続けてきたおかげか、若干良くなった感覚すらあります(あくまで感覚ですが、「進んでいない」ことは確かです)。
特別なことはしていません。これから紹介する、クッションとリハビリとタオルの組み合わせだけです。
我が家で実際にやっている拘縮予防
拘縮予防のリハビリ

デイサービスでは、拘縮予防のリハビリをお願いしています。
自宅でも、
・腕を軽く伸ばす
・脇を開く
・足を伸ばす
といったことを行っています。
ポイントは「痛みのない範囲でゆっくり」です。
無理に動かそうとすると、かえって力が入ってしまうことがあります。
関節を動かすというより、
「重力に任せてそっと伸びるのを待つ」くらいのイメージで続けています。
ただ、毎日しっかりやるのは正直難しくて、
できない日もあります。
完璧にやろうとすると続かないので、
「今日は腕だけやろう。」と決めてしまう日もあります。
クッションを活用した拘縮予防
ベッドで寝ているときや、車椅子に座っているときに、
・膝の下に入れる
・脇に挟む
・足の間に挟む
・背中に入れて横向きを保つ
など、体が縮まらないようにクッションを使っています。



もともとは、職場の病院で使っているクッションが欲しかったのですが、
高価で手が出ませんでした。
病院で使用していて、手が出なかったクッションはこちら▼
そこで、似たものを探しました。
▶赤ちゃんの柔肌のようなさわり心地のクッション
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クッションを使う前は、手足が内側に縮まりやすく、
着替えやおむつ交換のときに介助しにくい場面がありました。
使い始めてから、ケアが少しスムーズになったと感じています。
実際に使ってみて良かった点は、
・柔らかくて当たりがやさしい
・パウダービーズが変形するので拘縮部分にも入れやすい
・サイズや形がいろいろあり、用途に応じて選びやすい
という点です。
病院で使っているものと比べると、
フィット感は少し劣りますが、
在宅で使う分には十分だと感じています。
タオルを活用した手の拘縮対策
手は、タオルを丸めて握ってもらっています。

ただ、気づくとタオルが外れていることも多く、
なかなかうまくいかないこともあります。
こういった手を開いた状態で保てる専用のものもあります。
一人で全部やろうとしなくていい
拘縮予防は、毎日続けることが大切です。
でも、在宅介護をしながら毎日欠かさずやるのは現実的に難しいです。
デイサービスや訪問リハビリに任せられる部分は任せる。
自宅では「今日はクッションを整えるだけ」でもいい。
介護保険外で必要なときだけスポットで頼めるサービスを使って、
自分が休む時間を確保することも、長く続けるためには大切なことだと感じています。
▶24時間365日対応の介護保険外のオーダーメイド介護サービス【イチロウ】
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拘縮予防のまとめ
クッションの具体的な当て方(褥瘡・浮腫の対策も含めて)は、こちらで詳しくまとめています。
▶在宅介護のクッションの当て方|褥瘡・拘縮・浮腫を防ぐポジショニング【看護師解説】
▶在宅介護で防ぎたい3大トラブル|誤嚥性肺炎・尿路感染・褥瘡の予防まとめ
クッションを使って姿勢を整えたり、
少し体を動かしたりするだけでも、
拘縮を予防することができます。
完璧にやろうとするほど続かなくなります。
クッションひとつ、タオルひとつでも、何もしないより全然違います。
介護している自分のことも大切にしながら、
できることを、できる範囲で続けていきましょう。
この記事は看護師としての経験と一般的な知識にもとづく、わが家のやり方です。適した方法や強さは、その方の状態によって異なります。
関節を動かしたときに強い痛みがある、いつもより硬い、腫れや熱をもっている——そんなときは無理に動かさず、主治医・訪問看護師さん・理学療法士さんにご相談ください。麻痺のある側は、力を入れて伸ばすと思わぬけがにつながることがあります。
「なめていた私のダブルケア」は
第一子出産後から始まった在宅介護と育児の記録(全13話完結)です。
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1|子どもが幸せでなくなるなら、介護はやらないと思っていた
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