高齢者の爪切りは感染対策|目やにをきっかけに「爪の汚れ」に気づいた話

爪切り 介護のケア技術

祖母が脳梗塞で入院していたとき、お見舞いに行くたびに気になっていたことがありました。

「目やに」です。

会いに行く度に目やにが出ていて、抗菌剤の点眼をしていました。でも、なかなかよくならない。

そんなときに気になったのが、長く伸びて汚れがたまっていた祖母の「爪」でした。

祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
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目やにをきっかけに、爪の汚れに気づいた

入院中、祖母の爪は長く伸びていました。伸びた爪で身体をかくと、爪の間に垢が溜まって汚れる。そして、その手で目をかく。

爪の汚れも、目やにに関係していたのかもしれない。そう思いました。

ただ、目やにには細菌やウイルス、アレルギーなどさまざまな原因があります。祖母の目やにの原因が爪だったと、確認できたわけではありません。

点眼薬で抑えても、汚れた爪で目をかき続ければ、いたちごっこです。それに気づいてから、わが家では爪の清潔を保つことを心がけるようになりました。

菌の「入り口」を守っても、「運び屋」が汚れていたら

感染対策の視点で、菌の入り口になりやすいのは口と陰部です。でも、その入り口まで菌を運ぶのは、手。そして手の中でいちばん汚れが溜まるのが、爪です。

口腔ケアや陰部洗浄をがんばっても、爪が汚れたままでは片手落ち。爪切りは「身だしなみ」ではなく「感染対策」だと、目やにの一件で実感しました。

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拘縮があると、自分の爪が自分を傷つける

もうひとつ、爪を短く保つ理由があります。手の拘縮です。

手に拘縮があると、手がグーの状態で固まってしまいます。すると、伸びた爪が手のひらに食い込んで、自分の爪で自分を傷つけてしまうことがあるんです。傷ついた皮膚は、菌の入り口にもなります。

だから、「手の拘縮を防ぐこと」と「爪を短く整えること」は、セットで大切です。拘縮予防はこちらに書いています。
▶拘縮とは?在宅介護でできる予防法|クッション・リハビリ・タオルの注意点【看護師解説】

わが家の爪切り

正直に言うと、祖母の爪は巻き爪や肥厚(分厚くなること)がないので、切るのは楽なほうだと思います。

爪切りは、普通の爪切りです。特別な道具は使っていません。

自分の爪、子ども3人の爪、祖母の爪——5人分の爪を管理しないといけません。

だから「自分の爪が伸びてきたなー」「誰かの爪が長いぞ」と思ったら、手当たり次第、みんなの爪を切っていきます。

巻き爪・肥厚爪などトラブルがある場合は

爪にトラブルがある方の場合の、一般的な考え方も書いておきます。

  • 切るのは入浴後:爪が柔らかくなっているときに、少しずつ
  • 深爪をしない・角を落としすぎない:まっすぐ切って角を軽く整える「スクエアカット」が巻き爪予防の基本です
  • 分厚い爪は無理に切らない:ニッパー型の爪切りややすりで少しずつ。一度に切ろうとしないこと

そして一番大事なのは、無理をしないこと。巻き爪や肥厚がひどい場合、糖尿病がある方、皮膚が弱くなっている方の爪切りは、自己流で頑張らず専門職に頼ってください。訪問看護師さんにお願いできますし、皮膚科やフットケア外来という選択肢もあります。

まとめ

  • 目や口に触れる手が汚れていれば、菌はそこから運ばれる。爪切りは感染対策のひとつ
  • 手の拘縮があると、伸びた爪が手のひらを傷つける。拘縮予防と爪切りはセットで
  • トラブル爪は入浴後に少しずつ、スクエアカットで。無理なら訪問看護・皮膚科・フットケア外来へ

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このケアについて

この記事は看護師としての経験と一般的な知識にもとづく、わが家のやり方です。適した方法や頻度は、その方の状態によって異なります。

目やにが続く、充血や腫れがある、痛がる、目を開けにくそうにしている——こうしたときは、眼科にご相談ください。

爪の変色・強い痛み・化膿がある場合は、自分で切らずに医療機関にご相談ください。