PR

高額療養費制度とは?2026年8月から変わること|半年の入院で助けられた話

高額療養費制度とは 介護のお金・制度
記事内に広告が含まれています。

介護の制度について調べれば調べるほど複雑で難しいですよね。

私は医療費控除と高額療養費制度を、頭の中でごっちゃにしていました。

医療費控除は、1年分の医療費をもとに確定申告で税金が戻ってくる制度。
高額療養費制度は、病院の窓口で払うお金そのものに、月ごとの上限をつける制度です。
名前は似ていますが、別物でした。

祖母は以前、半年近く入院していた時期がありました。あのとき、正直「これ、いくらかかるんだろう」と怖かったのを覚えています。でも実際の負担は、思っていたよりずっと軽くて済みました。助けてくれたのが、この高額療養費制度でした。

その高額療養費制度が、2026年8月から変わります。今日はその変更点と、制度そのものの仕組みをまとめます。

祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
プロフィール

高額療養費制度とは

1ヶ月(1日〜末日)に病院の窓口で払った金額(保険診療の自己負担分)に上限を設け、超えた分は後から払い戻される仕組みです。入院・外来・検査・薬代など、同じ月の保険診療分をまとめて判定します。

今は「限度額適用認定証」やマイナ保険証を使えば、払い戻しを待たずに、最初から窓口での支払いを上限額までに抑える方法もあります。祖母の入院のときも、この認定証のおかげで、高額な請求書を一時的にでも立て替える心配をせずに済みました。

ただし、入院中の食事代・差額ベッド代・自由診療は対象外です。「医療費が高い=全部が高額療養費の対象」ではないので、そこは注意が必要です。

2026年8月から、何が変わるか

今回の見直しは大きく2つです。

① 月の自己負担上限額が引き上げ

全ての所得区分で上限額が上がります。わが家のように住民税非課税の世帯では、こう変わります。

所得区分現行(〜2026年7月)2026年8月〜
住民税非課税35,400円36,900円(+1,500円)
※世帯ごとの月額上限(1ヶ月の自己負担合計に対する上限)。年収が高い区分ほど増加額も大きくなります(例:年収370〜770万円の層で+5,700円)。

75歳以上(後期高齢者)には、外来だけの個人ごとの上限も別にあります。年金収入が約80万円までの層では8,000円のまま据え置きの方向で、ここは負担が増えません。

② 「年間上限」が新しくできる

今回の見直しの目玉が、これです。

月ごとの上限には届かない月が続いても、1年間の自己負担合計が所得区分ごとの上限に達すれば、それ以降はその年の窓口負担が発生しなくなります。

所得区分年間上限額(2026年8月〜)
住民税非課税約36万9,000円
〜約370万円約36万9,000円
約370〜770万円53万円
約770〜1,160万円約107万4,600円
約1,160万円〜約162万1,800円

75歳以上の外来については、別に「外来年間上限額」(9万6,000円)も新しくできます。

これは、抗がん剤治療や難病、慢性疾患など、長期的に高額な治療が続く人のための安全網です。今までは「月ごとの上限は超えないけれど、それが1年続くとじわじわ大きな負担になる」というケースを救う仕組みがありませんでした。そこに配慮したのが、この年間上限です。

月々の上限は少し上がるけれど、1年で見たときの「これ以上は絶対にかからない」という金額が決まる。祖母のように長く治療が続く可能性がある家庭にとっては、先の見通しが立てやすくなる、というのが今回の変更の実感です。

多数回該当は、これまでどおり

直近12ヶ月で3回以上、上限に達した場合、4回目以降はさらに上限額が下がる「多数回該当」という仕組みもあります。こちらは今回、引き上げが見送られ、住民税非課税世帯では24,600円のまま据え置かれます。長期療養している方への配慮です。

半年入院していた祖母のようなケースでは、この多数回該当にも該当していた可能性があります。振り返って、いろいろな仕組みに支えられていたんだと分かりました。

医療費控除との違い、もう一度整理します

高額療養費制度医療費控除
いつ払った月ごと(随時)年1回、確定申告で
何をする制度窓口で払う額そのものに上限をつける払った額の一部を税金の計算から差し引く
2026年の変更上限額の引き上げ+年間上限の新設制度の仕組み自体は変更なし

ちなみに、高額療養費制度で戻ってきたお金は、医療費控除を計算するときに「補填された金額」として差し引く必要があります。この2つはセットで理解しておくと、確定申告のときに迷いません。

申請のしかた

入院や高額な治療が決まったら、早めに動くのがおすすめです。

  • マイナ保険証:対応医療機関なら、事前申請なしでその場で上限額までの支払いになります
  • 限度額適用認定証:後期高齢者医療なら都道府県の広域連合へ申請(発行まで1〜2週間ほど)
  • 払いすぎた場合は、高額療養費の払い戻しを保険者に申請すれば戻ってきます

祖母のときは限度額適用認定証を使っていました。窓口でまとまったお金を立て替えなくて済んだのは、精神的にも本当に助かりました。

まとめ

  • 高額療養費制度=病院で払うお金そのものに月の上限をつける制度(医療費控除とは別物)
  • 2026年8月から、月の上限額は少し上がる
  • 同時に「年間上限」が新設。長期治療が続く人の負担に天井ができる
  • 入院や高額治療が決まったら、早めにマイナ保険証か限度額適用認定証の準備を

介護保険の「高額介護サービス費」は、この制度の介護版にあたります。あわせて読むと、医療と介護、両方のお金の上限が見えてきます。

制度情報について

この記事の制度情報は2026年8月時点のものです。

高額療養費制度の上限額は年齢と所得区分によって異なり、手続きの方法も加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合・国民健康保険・後期高齢者医療など)によって変わります。ご自身の区分と手続きについては、必ず保険証・資格確認書に記載された保険者か、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

あわせて読みたい