介護保険負担限度額認定証とは|非課税でも“貯金の壁”で対象外だったわが家の話

介護保険負担限度額認定証 介護のお金・制度

以前ケアマネさんから、「負担限度額認定っていう制度がありますよ」と言われたことがありました。
ただ結論としては、わが家は申請していません。

今日は、この「介護保険負担限度額認定証」という制度について書きます。名前がむずかしいのですが、中身はシンプルで、施設やショートステイを使ったときの“食費”と“部屋代”が安くなる制度です。

「介護保険負担限度額認定証」とはどのような制度か、なぜ我が家は申請していないのかをまとめました。


祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
プロフィール

負担限度額認定証って、なに?

介護保険の施設(特養・老健・介護医療院)に入ったり、ショートステイを使ったりすると、サービスそのものの利用料(1割〜3割負担)のほかに、食費居住費(部屋代)がかかります。

この食費と部屋代は、介護保険のサービス料には含まれていなくて、原則は全額自己負担です。そこを、所得の低い方に限って軽くしてくれるのが、この負担限度額認定です。

認定を受けると、こんなふうに1日あたりの上限が決められます(ショートステイの例)。

利用者負担段階食費(1日)部屋代・多床室(1日)
第1段階300円0円
第2段階600円430円
第3段階①1,030円430円
第3段階②1,360円430円
※金額は制度改定や施設のタイプで変わります。上は令和8年8月からの目安です。正確な額は市役所やケアマネさんに確認してください。

認定がなければ、食費も部屋代も実費です。ショートを長めに使う月は、この差がけっこう大きくなります。

対象になるのは「2つの条件」を両方みたす人

ここが大事なところです。次の2つを両方みたして、はじめて対象になります。

① 住民税が非課税の世帯であること

本人だけでなく、同じ世帯の全員、それに世帯分離している配偶者も非課税である必要があります。

② 預貯金が、基準の金額以下であること

実はこちらに、見落としやすい壁があります。段階ごとに基準がちがいます(単身の場合の目安)。

段階年金収入などの目安預貯金の基準(単身)
第1段階生活保護・老齢福祉年金など1,000万円以下
第2段階年間82万6,500円以下650万円以下
第3段階①82万6,500円超〜120万円以下550万円以下
第3段階②120万円超500万円以下
※令和8年8月から、第2段階・第3段階①の年金の区切りが「80万9千円」から「82万6,500円」に変わりました。夫婦の場合は預貯金の基準額がそれぞれ変わります。

「非課税だから安くなる」ではない、という落とし穴

多くの解説は①だけを見て「非課税なら安くなる」と書きます。でも現実には、②の預貯金の壁があります。

たとえ住民税が非課税でも、本人の貯金が基準(単身で500万〜650万円くらい)を超えていると、対象外になるのです。わが家は、まさにこれでした。

わが家は②で対象外でした

うちは世帯分離をしていて、祖母は住民税が非課税です。だから①はクリアしています。でも、祖母名義の貯金が基準以上ありました。

ケアマネさんに「負担限度額認定がありますよ」と言われたとき、私は「貯金があるから、たぶんうちは無理だな」と思って、申請しませんでした。

医療費控除のときも、特定福祉用具のときもそうでしたが、知らずに損していたわけではなく、知った上で対象外だった。それはそれで、ひとつの答えです。がっかりはしましたが、ぬか喜びして申請の手間をかけるより、先に分かってよかったと思っています。

見るのは「本人名義」の通帳です

②の預貯金で見るのは、認定を受ける本人(我が家の場合は祖母)の通帳です。世帯全体でも、同居している子ども世帯の貯金でもありません(配偶者がいる場合は夫婦あわせて見ます)。

だから、「同居しているうちは家計が大きいから無理」とあきらめる必要はありません。大事なのは、おばあちゃん本人の名義でいくらあるかです。ここが基準以下なら、非課税の家庭では使える人はいるのではないでしょうか。

申請の流れと、気をつけること

  • 必要なもの:申請書と同意書、それに本人(と配偶者)の通帳のコピー。株や投資信託があればその残高がわかるものも。
  • 毎年更新が必要です。有効期間は8月1日から翌年の7月31日まで。更新の案内は6月中旬ごろに届きます。
  • 貯金を隠して申請するのはダメです。あとで分かると、軽減された分に加えて最大2倍の加算金(合わせて最大3倍)を求められることがあります。正直に出して、通れば通る、という制度です。

なお、有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者住宅・デイサービスには使えません。対象は特養・老健・介護医療院とショートステイです。

心当たりがあるなら、確かめてみる価値はあります

わが家は対象外でしたが、それは「祖母名義の貯金が基準を超えている」から。逆に言えば、非課税で、本人名義の貯金が基準以下なら、使える制度です。

「うちはどうだろう」と思ったら、ケアマネさんに「負担限度額認定使えませんか?」と聞いてはどうでしょうか?

制度情報について

この記事の制度情報は2026年8月時点のものです。

対象になるかどうかは世帯全員の課税状況と、本人名義の預貯金額の両方で判定されます。基準となる金額は改定されることがあり、判定は市区町村が行います。ご自身・ご家族のケースは、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口でご確認ください。

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