高額医療・高額介護合算療養費とは|「再通知」が届いて、また見逃していた話

医療高額介護合算療養費 介護のお金・制度

役所から届いたはがきに、「再通知」と書いてありました。

高額医療・高額介護合算療養費。
名前が長くて、正直「またよく分からないやつが来た」と思いました。

でも読んでみたら、医療と介護の両方を使っている人が対象で、申請しないともらえないお金のお知らせでした。
そして「再通知」ということは、一度目を見逃していたということです。

この記事では、この制度の中身と、わが家がどうだったかを書きます。

祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
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高額医療・高額介護合算療養費とは

月ごとの上限を決める制度は2つあります。介護の「高額介護サービス費」と、医療の「高額療養費」です。

でも、医療も介護もそれぞれ上限には届かないのに、両方合わせると年間ではけっこうな金額になっている。
在宅介護をしている家庭は、まさにこれです。

その穴を、1年分まとめて計算し直して埋めるのがこの制度です。

1年間(8月1日〜翌年7月31日)に払った医療保険の自己負担と、介護保険の自己負担を合算して、限度額を超えていたら、超えた分が戻ってくる制度です。

ここが分かりにくいところなのですが、高額療養費や高額介護サービス費で戻ってきた分は、先に差し引きます。
それぞれの制度で払い戻しを受けたあとに、まだ残っている自己負担を、医療と介護でまとめてもう一度見直す。そういう制度です。

だから、医療と介護の両方を使っている人にしか関係がありません。
逆に言えば、両方使っている人は確認する価値があります。

似た名前が並ぶので、表にしておきます。

制度何をいつの分
高額介護サービス費介護だけ1ヶ月ごと
高額療養費医療だけ1ヶ月ごと
高額医療・高額介護合算療養費医療+介護1年ごと(8月〜翌7月)

月ごとの2つでカバーしきれなかった分を、最後に1年でならす。そういう位置づけです。

それぞれの制度についてはこちら
▶高額介護サービス費とは?申請したら12,787円戻ってきた話
▶高額療養費制度とは?2026年8月から変わること|半年の入院で助けられた話


1年間の限度額はいくら?

70歳以上の方の、1年間の限度額です。祖母のような後期高齢者医療の方も、この表になります。

所得区分1年間の限度額
現役並み所得者Ⅲ(課税所得690万円以上)212万円
現役並み所得者Ⅱ(380万円以上)141万円
現役並み所得者Ⅰ(145万円以上)67万円
一般56万円
住民税非課税世帯(区分Ⅱ)31万円
住民税非課税で、所得が一定以下の方(区分Ⅰ)19万円

住民税非課税世帯だと、1年で31万円(または19万円)が区切りになります。
介護保険の自己負担だけで、けっこう近づく金額だと思います。

わが家の祖母は住民税非課税の区分Ⅰなので、上限は1年で19万円です。
この「区分」は、7月に届く資格確認書に書いてあります。

※区分Ⅰで、同じ世帯に介護保険を使っている人が複数いる場合は、限度額の当てはめ方が変わることがあります。

▶限度額適用・標準負担額減額認定証とは|貯金があっても入院費と食事代が安くなる制度【今は資格確認書に併記】


いちばんの落とし穴|どちらかが0円だと対象外

医療保険と介護保険、両方に自己負担があることが条件です。
どちらか一方が0円だと、合算する相手がいないので、対象になりません。

介護はたくさん使っているけれど、その年は病院にかかっていない。
あるいはその逆。
そういう年は、この制度では戻ってきません。

※障害者医療費助成などで窓口の支払いが0円でも、制度のうえでの自己負担はあるので、この「0円」には当たらないことがあります。わが家の話は、このあとに書きます。

もうひとつ、限度額を超えた額が500円以下の場合も、支給の対象になりません。

また、保険が使えない実費は対象外です。差額ベッド代、入院中の食事代、施設やショートステイの食費・部屋代など。ここは高額介護サービス費のときと同じ考え方です。


わが家に届いたのは「再通知」でした

一度目の通知を、私は見逃していました。

役所から届く封筒やはがきは、名前が長くて、何の紙なのか分かりにくいです。
「あとで読もう」と思って置いたまま、そのままになっていたのだと思います。

同じことを、高額介護サービス費のときにもやりました。何年も高額介護サービス費を受け取ることなく過ごしてきました。
祖母と同居をはじめて数年経ったときに、改めてはがきを見て気付き、申請しました。
今では、毎月1万円以上返ってくるようになりました。
読まないままだったら、未だに受け取れていなかったものです。

そして今回も、また見逃していました。

ひとつ救いがあって、この制度には2年の時効があります。通知を受け取ってから2年を過ぎると申請できなくなりますが、逆に言えば、その間なら間に合います。
「そういえば来ていた気がする」という方は、まだ探してみる価値があります。

介護で届く書類は、こちらにまとめています
▶介護で届く書類一覧|捨てちゃいけない封筒はどれ?【この紙なに?がわかる】


申請のやり方

申請するのは、基準日(7月31日)の時点で加入している医療保険の窓口です。祖母のように後期高齢者医療の方は、市区町村の担当課になります。

介護保険の自己負担額を証明する書類が必要になりますが、医療も介護も同じ市区町村が扱っている場合は、まとめて手続きしてくれることが多いです。届いた通知に、必要なものが書かれているはずです。

自己負担額が確定するのに時間がかかるため、申請してから振り込まれるまでは数か月かかります。

支給は、医療保険からは「高額介護合算療養費」、介護保険からは「高額医療合算介護サービス費」として、それぞれ別々に振り込まれます。


窓口で聞いてきた|手帳で医療費0円でも、申請は必要だった

祖母は2024年に身体障害者手帳を取得していて、医療費の自己負担が0割になっています。
上に書いたとおり、この制度は医療と介護の両方に自己負担があることが条件です。医療の自己負担が0円なら、そもそも関係ないのでは?と思っていました。

それでも通知は届いている。分からないまま置いておくのが一番もったいないので、窓口に行って聞いてみました。

「障害者手帳で医療費を払っていないのに、申請は必要なんですか?」

返ってきたのは、こういう答えでした。

医療費は国と町が負担しているから、祖母の自己負担は0円。
でも、申請すると町の払い方が変わる。

つまり、申請は必要でした。

「町の払い方が変わる」ってどういうこと?

窓口では、そこまで詳しい説明はありませんでした。調べてみると、こういう仕組みのようです。

医療費は「誰も払っていない」わけではありません。祖母の自己負担は計算のうえではちゃんとあって、それを祖母のかわりに町の助成が払っている。だから窓口では0円になります。

合算療養費は、この「自己負担額」をもとに計算します。肩代わりしてもらっている分も、計算には入る。
そして戻るお金が出たら、医療の分は、実際に払った町に戻る。町にとっては、立て替えた分を回収するための手続きなので、申請してほしい、ということだと思います。

介護の分は、祖母に戻るかもしれない

支給は、医療の分と介護の分に分かれています。
介護保険の自己負担は、祖母が実際に払っています。介護の分が出るとしたら、それは祖母の口座に振り込まれるはずです。

ただ、出るかどうかは、その年の医療と介護の自己負担額しだいです。申請書には口座番号を書いて出してきました。
結果はまだ届いていません。支給決定か、不支給か。通知が届いたら、この記事に追記します。

手帳を持っている方へ

医療費が0円だから関係ない、と思って通知を置いたままにしていないでしょうか。
わが家もそう思っていました。でも、申請は必要でした。

自分の口座にお金が入るかどうかは別として、手帳の助成と、この制度はつながっています。届いたら、一度窓口に聞いてみてください。

医療費が0割になった経緯は、こちらに書いています
▶身体障害者手帳で変わったこと|わが家は医療費・NHK・自動車税が0円に


まとめ

  • 1年間(8月1日〜翌年7月31日)の医療と介護の自己負担を合算して、限度額を超えた分が戻る制度
  • 高額療養費・高額介護サービス費で戻った分は、先に差し引いて計算する
  • 住民税非課税世帯の限度額は、1年で31万円(所得が一定以下なら19万円)
  • 医療と介護、どちらかの自己負担が0円だと対象外
  • 限度額を超えた額が500円以下なら対象外
  • 障害者医療費助成で窓口の支払いが0円でも、申請が必要なことがある
  • 申請しないともらえない。時効は2年

役所から届く紙は、名前が長くて、読む気力が出ないことがあります。
私も何度も後回しにしてきました。

それでも、開けて読まないと始まらないお金があります。
「再通知」と書いてあったら、それは一度見逃しているということです。

介護のお金のことは、こちらにまとめています
▶介護のお金まとめ|わが家が実際に使った制度と、かかった費用

制度情報について

この記事の制度情報は2026年9月時点のものです。

限度額は所得区分によって異なり、対象になるかどうかは医療・介護それぞれの自己負担の状況によって変わります。申請の窓口や必要書類、通知の有無はお住まいの市区町村によって異なりますので、届いた通知の記載と、市区町村の窓口でご確認ください。