在宅で介護をしていると、ふと思うことがあります。
「手足の動きが悪くなっているな、このまま固まっていくのかな…」と。
でも、何をすればいいのか分からない。
祖母は2025年4月の脳梗塞で、右半身麻痺になりました。
右の手足は、ほとんど動かせません。
動かせない状態が続くと心配になるのが、「拘縮」です。
同じように感じている方に、わが家でやっていることをお伝えします。
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拘縮とは|動かさない関節が、固まっていくこと
拘縮(こうしゅく)とは、関節まわりの筋肉や腱、靱帯、皮膚などが硬くなり、関節の動く範囲が狭くなった状態です。麻痺のある側や、寝たきりで体を動かす機会が減った人に起こりやすくなります。
拘縮が進むと、困ることが日常のあちこちに出てきます。
- 腕や脚が曲がったまま固まり、着替えやオムツ交換、陰部洗浄がしにくくなる(▶片麻痺の着替えは「脱健着患」|介護服を買って、普通のTシャツに戻った話)
- 手がグーの形で固まると、爪が切りにくくなり、手のひらに爪が食い込んだり、中が蒸れて不潔になったりする(▶高齢者の爪切りは感染対策|目やにをきっかけに「爪の汚れ」に気づいた話)
- 関節が変形してしまうことがある
- 本人にとっても、無理に動かされると痛い
また、同じ姿勢が続いて体の一部に圧がかかり続けると、褥瘡(床ずれ)のリスクも高くなります。
そして一度固まった関節を家庭で元に戻すのは、正直かなり難しい。だから固まる前に、毎日少しずつ動かしておくことが大事になります。
ただ、動かしていれば必ず防げる、というものでもありません。日常の動き、ポジショニング、リハビリ、必要に応じた治療を組み合わせながら、進みを抑えていくものだと思っています。
ひとつだけ注意を。拘縮予防といっても、固まりかけた関節を無理に伸ばすのは危険です(痛みや骨折につながることがあります)。動かすのは「痛みが出ない範囲」まで。迷ったらリハビリの専門職(訪問リハビリやデイのスタッフ)に確認してください。
「痙縮」と「拘縮」は同じではありません
脳梗塞のあと、手を強く握り込んだり、腕や脚がつっぱったりすることがあります。
これは拘縮ではなく、痙縮(けいしゅく)が関係している場合があります。
痙縮は、脳卒中などの影響で筋肉の緊張が強くなり、意思とは関係なく手足が曲がったりつっぱったりする状態です。
その姿勢が長く続くことで関節まわりの組織が硬くなり、拘縮につながっていくことがあります。
手がグーの形になっているからといって、すべてが拘縮とは限りません。両方が関係していることもあります。
家族だけで見分けるのは難しいので、つっぱりが強くなってきたときは、リハビリの専門職か主治医に相談してください。痙縮には、内服薬やボツリヌス療法などの治療が検討されることもあります。
拘縮が大きく進んだとは、いまのところ感じていません
祖母が脳梗塞で右半身麻痺になったのは、2025年4月です。
わが家が拘縮を意識するようになったのは、そこからでした。
関節の角度を測っているわけではないので、「まったく進んでいない」と言い切ることはできません。
ただ、着替えやおむつ交換をしている範囲では、動かしにくさが大きく進んだとは感じていません。日によっては、以前より腕や脚が動かしやすいと感じることもあります。
特別なことはしていません。これから紹介する、クッションとリハビリとタオルの組み合わせだけです。
我が家で実際にやっている拘縮予防
拘縮予防のリハビリ

デイサービスでは、拘縮予防のリハビリをお願いしています。
自宅でも、
・腕を軽く伸ばす
・脇を開く
・足を伸ばす
といったことを行っています。
ポイントは「痛みのない範囲でゆっくり」です。
無理に動かそうとすると、かえって力が入ってしまうことがあります。
関節を動かすというより、
「重力に任せてそっと伸びるのを待つ」くらいのイメージで続けています。
ただ、毎日しっかりやるのは正直難しくて、
できない日もあります。
完璧にやろうとすると続かないので、
「今日は腕だけやろう。」と決めてしまう日もあります。
クッションを活用した拘縮予防
ベッドで寝ているときや、車椅子に座っているときに、
・膝の下に入れる
・脇に挟む
・足の間に挟む
・背中に入れて横向きを保つ
など、体が縮まらないようにクッションを使っています。
▶腰を痛めない体位変換のやり方|向きを変える・上にずらす・起こす【看護師が図解】



もともとは、働いていた病院で使っていたクッションが欲しかったのですが、
高価で手が出ませんでした。
病院で使用していて、手が出なかったクッションはこちら▼
そこで、似たものを探しました。
わが家の5個は、MOGUの公式ストアで買いました。
クッションを使う前は、手足が内側に縮まりやすく、
着替えやおむつ交換のときに介助しにくい場面がありました。
使い始めてから、ケアが少しスムーズになったと感じています。
実際に使ってみて良かった点は、
・柔らかくて当たりがやさしい
・パウダービーズが変形するので拘縮部分にも入れやすい
・サイズや形がいろいろあり、用途に応じて選びやすい
という点です。
病院で使っていたものと比べると、
フィット感は少し劣りますが、
在宅で使う分には十分だと感じています。
わが家にあるのは、筒型ロング(茶色)1個・筒型2個・四角いクッション2個の計5個です。
どこにどのサイズを使っているか、値段や洗い方はこちら
▶在宅介護のクッションの当て方|褥瘡・拘縮・むくみを防ぐポジショニング【看護師解説】
丸めたタオルを握ってもらうときの注意
わが家では、手のひらの蒸れと爪の食い込みを防ぐために、丸めたタオルを祖母の手に入れています。

ただ、気づくとタオルが外れていることも多く、
なかなかうまくいかないこともあります。
それに、この方法はすべての人に合うわけではありません。
手のひらに物が当たることで握る反応が強くなり、かえって握り込みが強くなってしまうことがあるからです。
入れるとしても、大きく丸めたものを無理に握らせるのではなく、手の状態に合った大きさと厚さを、訪問看護師さんや作業療法士さんに一度みてもらうのが確実です。
手が開かないときは、こんなところを見ています。
- 爪が手のひらに当たっていないか
- 手のひらが蒸れていないか
- 赤みや傷、においがないか
- タオルを入れたことで、かえって握り込みが強くなっていないか
手を開いた状態で保てる専用のものもあります。
わが家では使っていないので、購入を考えるときは、主治医や作業療法士さん、訪問看護師さんに相談してから決めてください。
一人で全部やろうとしなくていい
拘縮予防は、毎日続けることが大切です。
でも、在宅介護をしながら毎日欠かさずやるのは現実的に難しいです。
デイサービスや訪問リハビリに任せられる部分は任せる。
自宅では「今日はクッションを整えるだけ」でもいい。
介護保険外で必要なときだけスポットで頼めるサービスを使って、
自分が休む時間を確保することも、長く続けるためには大切なことだと感じています。
わが家ではまだ使ったことはありませんが、こういう選択肢があると知っておくだけでも、少し気持ちが軽くなります。
▶24時間365日対応の介護保険外のオーダーメイド介護サービス【イチロウ】
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拘縮予防のまとめ
クッションの具体的な当て方(褥瘡・むくみの対策も含めて)は、こちらで詳しくまとめています。
▶在宅介護のクッションの当て方|褥瘡・拘縮・むくみを防ぐポジショニング【看護師解説】
▶在宅介護で防ぎたい3大トラブル|誤嚥性肺炎・尿路感染・褥瘡の予防まとめ
クッションを使って姿勢を整えたり、
無理のない範囲で体を動かしたりすることは、
拘縮の進みを抑えるための方法のひとつです。
完璧にやろうとするほど続かなくなります。
クッションひとつ、タオルひとつでも、何もしないより全然違います。
介護している自分のことも大切にしながら、
できることを、できる範囲で続けていきましょう。
この記事は看護師としての経験と一般的な知識にもとづく、わが家のやり方です。適した方法や強さは、その方の状態によって異なります。
関節を動かしたときに強い痛みがある、いつもより硬い、腫れや熱をもっている——そんなときは無理に動かさず、主治医・訪問看護師さん・理学療法士さんにご相談ください。麻痺のある側は、力を入れて伸ばすと思わぬけがにつながることがあります。
「なめていた私のダブルケア」は
第一子出産後から始まった在宅介護と育児の記録(全13話完結)です。
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1|子どもが幸せでなくなるなら、介護はやらないと思っていた
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ダブルケア【体験記】

