高齢者の脱水の見分け方|家で見られるサインと受診の目安

高齢者の脱水の見分け方 介護のケア技術

高齢者の脱水は、静かに進みます。

年を取ると喉の渇きを感じにくくなることがあり、感じていてもうまく伝えられないこともあります。そのため、自覚がないまま脱水が進んでいくことがあります。わが家の祖母も、脱水から転倒・骨折につながったことがあります。

▶在宅介護の熱中症対策|脱水で祖母が転倒・骨折した私の失敗と、今やっていること

だから、まわりが「見て」気づくしかない。家庭でチェックできる脱水のサインをまとめます。

祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
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なぜ高齢者は脱水になりやすいのか

高齢者が脱水になりやすい理由は一つではありません。

  • 渇きを感じにくい:喉の渇きセンサーが年齢とともに鈍くなります
  • 体に蓄えられる水分が少ない:水分を蓄える筋肉が減っているため、若い人より「貯金」が少ない
  • トイレを気にして、自分から控える:「オムツを替えてもらうのが申し訳ない」「夜のトイレが心配」で、水分を我慢する方もいます
    私も祖母の夜間のオムツ漏れが大変で、家で飲ませる水分を減らしてしまった時期がありました
  • 薬の影響:利尿剤など、水分を出す方向に働く薬を飲んでいることがあります

家で見られる脱水のサイン

正直に言うと、私は救急の看護師ではなかったので、一目見て「脱水だ」と分かる感覚があるわけではありません。だからこそ、感覚ではなく、一つずつ確認できるサインを頼りにしています。

  • 口の中と舌が乾いている:唾液が少ない、舌がカラカラ
  • わきの下が乾いている:本来しっとりしている場所。ここが乾くのは脱水のサインです
  • 尿の色が濃い・量や回数が減った:オムツ交換のとき、色と量を見る習慣を
  • なんとなくぼんやりしている・うとうとが増えた:「いつもとの違い」がいちばんのサインです

脱水を疑ったらやること

暑い場所にいたときは、まず涼しい場所へ移します。衣服をゆるめ、首のまわりやわきの下、足の付け根などを冷やします。

意識がはっきりしていて、普段どおり飲み込める状態なら、水分を少量ずつとってもらいます。一度にたくさんではなく、飲める量を少しずつです。

反応が鈍い、むせ込みが強い、うまく飲み込めないときは、無理に飲ませないでください。誤嚥する危険があります。

経口補水液を使うときの注意

汗を多くかいたとき、下痢や嘔吐、発熱、食事や水分が不足しているときは、経口補水液が水分と電解質を補う選択肢になります。

ただし、脱水していない方が日常の水分補給として飲み続けるものではありません。一般的な飲み物よりナトリウムやカリウムが多く含まれています。心臓や腎臓の病気、高血圧、糖尿病などで水分・塩分・カリウムの制限を受けている方は、主治医や薬剤師に確認してください。

すぐに救急車を呼ぶことを考える状態

  • 呼びかけへの反応がおかしい、意識がはっきりしない
  • けいれんしている
  • 普段は飲める方が、自力で水分を飲めない
  • ぐったりして、自分で立ったり動いたりできない
  • 体が非常に熱く、様子がおかしい

意識がはっきりしない方に、無理に水分を飲ませないでください。

主治医や医療機関に相談する状態

  • 水分や食事がほとんどとれない
  • 飲んでも吐いてしまう
  • 下痢や嘔吐が続いている
  • 発熱があり、水分もとれていない
  • 尿が普段より明らかに少ない、長い時間出ていない
  • 水分をとっても体調がよくならない
  • いつもと違う状態が続いている

「半日出ていなければ受診」のように時間だけで一律に決めるのは難しいところです。普段の尿量や持病、飲んでいる薬によっても違うので、迷ったときは主治医や訪問看護師さんに相談してください。

わが家の水分の摂らせ方

わが家に、「このタイミングで飲ませる」という決まりはありません。介護と育児であれもこれもやっている中で、時間で管理する方法は、まず守れないからです。

やっているのは、気づいたときにコップにエンシュアやお茶を入れて渡すこと。そして、「今日は何杯渡したかな」と数えることです。

タイミングではなく、杯数をものさしにする。これなら、バタバタの日でも回ります。時間割が守れなくて自分を責めている方がいたら、数える方式、おすすめです。

おまけ:夏は血圧が下がることもあります

これは知らない方が多いのですが、夏は血圧が下がることがあります。暑さで血管が広がることや、汗や水分不足で体の水分が減ることが関係します。

祖母も夏になって血圧が下がり、主治医の判断で血圧の薬が半量になりました。

血圧が下がりすぎると、ふらつきや転倒のもとになります。夏場に「なんだかふらつくな」と感じたら、可能であれば血圧を測って、普段の数値と比べてみてください。

ただし、ふらつきの原因が脱水や血圧とは限りません。いつもと様子が違うときや症状が続くときは、かかりつけ医に相談してください。薬の量を自己判断で変えるのは、絶対にやめてくださいね。

まとめ

  • 高齢者は渇きを感じにくいことがある。まわりが「見て」気づく
  • サインは、口の中・わきの下・尿の色と量・いつもとの違い。皮膚の戻りは参考程度に
  • 意識がはっきりしていれば少しずつ水分。反応がおかしい・自力で飲めないときは飲ませず救急車を

参考にした公的な情報です。
▶熱中症予防のために(厚生労働省)
▶経口補水液について(消費者庁)

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▶エンシュアゼリーの作り方|材料3つと、あとから知った注意点
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このケアについて

この記事は看護師としての経験と一般的な知識にもとづく、わが家のやり方です。脱水の出かたには個人差があり、持病やお薬によっても変わります。

ぐったりして反応が鈍い、意識がはっきりしない、水分を飲めない、嘔吐や下痢が続いている——このようなときは家で様子を見ず、すぐに主治医に連絡するか受診してください。