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高齢者の口腔ケアのやり方|誤嚥性肺炎を防ぐスポンジブラシの使い方と水分補給【看護師解説】

口腔ケア 介護のケア技術
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高齢者の口腔ケア(マウスケア)は、「歯をきれいにする」ためだけのものではありません。命に関わる肺炎を防ぐケアです。

看護師として病院でやってきた口腔ケアの基本と、在宅介護のわが家の実際(正直に言うと、ほとんど必要なく過ごせています。その理由も)をまとめます。

祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
プロフィール

なぜ高齢者に口腔ケア(マウスケア)が大事なのか

年を取ると、唾液の量が少なくなります。

唾液には、口の中を洗い流して清潔に保つ働きがあります。それが減って口の中が乾燥すると、雑菌が繁殖しやすくなる。その菌が誤って気管に入ると、肺炎(誤嚥性肺炎)の原因になることもあります。

また、食べ物が歯に挟まったままだと、虫歯のリスクも上がります。口の中を清潔に保つことは、高齢者にとって「命を守るケア」のひとつです。

簡単で、大切なことは「こまめな水分補給」

特別な道具の前に、まず伝えたいのはこれです。

水分がとれる方なら、少しずつでいいから、こまめに飲ませる。それだけで口の中の乾燥は全然違います。

実際、わが家の祖母(要介護4)は、こまめな水分補給ができているおかげで口の中が乾燥せず、日常的なマウスケアをほとんどすることなく過ごせています。水分補給こそ、最大の口腔ケアだと実感しています。

ただし、水分がとれていれば口の中の掃除は要らない、という意味ではありません。歯がなくても、舌や歯ぐき、頬の内側には汚れや細菌が残ります。乾燥しにくいぶん負担は軽くなりますが、ときどき口の中を見て、汚れていたら拭き取る。それは歯の有無にかかわらず必要です。

唾液腺マッサージ|余裕があるときに

唾液腺マッサージ

唾液の量を増やすには、唾液腺マッサージも効果があります。耳の下、あごの下のあたりを、指の腹でやさしくくるくると回すようにマッサージします。

やり方が分からない・どれくらいの力加減でマッサージすればいいの?と思った方は自分のあごの下あたりを触ってみてください。じゅわーっと唾液が出てくることがわかるはずです。

毎回やらなくて大丈夫です。介護は続けることが一番大事なので、「余裕があるときに少し」で十分です。

スポンジブラシの使い方|いきなり口に入れない

口の中の汚れを取るときは、スポンジブラシが使いやすいです。ただ、使い方にコツがあります。

  • いきなり口の中に入れない:びっくりさせてしまいます。唇を少しちょんちょんと触って合図してから、ゆっくり中に入れると受け入れてもらいやすいです
  • 乾燥した汚れは、ふやかしてから:乾燥がひどいと、汚れが口の中に貼り付いていることがあります。無理にこすらず、水分で少しずつふやかして、少しずつ取っていくイメージで
  • 舌だけでなく「上あご」も:口蓋(口の中の天井)は意外と汚れが溜まりやすい場所です。忘れずに

▶プラスハート マウススポンジ
スポンジが柔らかすぎず使いやすいです。

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オオサキメディカル マウスポンジ スポンジブラシ

オオサキメディカル マウスポンジ ふつうサイズ(口腔ケア用スポンジブラシ 1本入×50袋)

汚れがひどいときは、口腔ケア用ジェル

乾燥や汚れがひどい場合は、口腔ケア用の保湿ジェルを使うと楽になります。うるおすことで汚れがふやけて取りやすくなり、保湿効果で乾燥そのものも防げます。

私の使い方はこうです。ジェルを口の中に薄く塗り広げて、汚れがふやけるまで2〜3分待ってから濡れたスポンジブラシでやさしく拭い取ります。最後にもう一度薄くジェルを塗っておくと、保湿された状態が保てます。

▶ペプチサル ジェントル マウスジェル
ドラックストアではあまり見かけませんが、のびがよくて塗り拡げやすく、低刺激なので使いやすいです。

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ペプチサル ジェントルマウスジェル 42g(低刺激・保湿タイプ)

歯ブラシは「歯茎も」磨く|出血を怖がらない

歯が残っている方の場合、歯ブラシでは歯だけでなく歯茎も磨きます。

歯茎から出血すると「傷つけてしまった」とやめたくなりますが、出血するからと磨かなくなるのはよくありません。磨かないと歯茎の状態はさらに悪くなります。やさしい力で、続けてください。

※出血がずっと続く場合や、ひどくなる場合は、歯科(訪問歯科もあります)に相談してください。

口を開けてくれないときは|「この人なら大丈夫」と思ってもらう

祖母は口腔ケアを嫌がりませんが、病棟では、ケアを拒否する患者さんは多かったです。

口の中を触られるのは、想像以上に怖いことです。口腔ケアそのものに怖いイメージを持っている方も多い。だから、テクニックより先に大事なのは、「この人なら大丈夫」と思ってもらうことだと思っています。

  • 必ず声かけをしてから始める(いきなり口に向かわない)
  • 最初に唇をちょんちょんと触れて合図。すると自然に口を開けてくれることが多いです
  • それでも難しい日は、無理をしない。できる範囲でやって、しっかりしたケアは歯科(訪問歯科)にお願いするという割り切りもアリです

どうしてもしっかりケアが必要な場合は、バイトブロック(噛んでもらうことで口を開けたまま保てる道具)を使うのも手のひとつです。指を噛まれる事故の防止にもなります。

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デンタルブロック オーラルケア E1298

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寝たままやるときは、姿勢に気をつけて

寝たきりの方の口腔ケアでひとつ注意したいのが、ケア中の水分や唾液で、逆にむせさせてしまうことです。

  • できれば座った姿勢か、ベッドの頭側を上げて行う
  • 起こすのが難しければ、顔を横に向けて、水分が喉に流れ込まないようにする
  • スポンジブラシは水気をよく絞ってから使う

誤嚥させないための姿勢の話は、こちらの記事でもまとめています。
在宅介護で防ぎたい3大トラブル|誤嚥性肺炎・尿路感染・褥瘡の予防まとめ

わが家の実際|マウスケアがほとんど要らずに済んでいる理由

ここまで書いておいて正直に言うと、わが家では日常的なマウスケアをほとんどしていません。

祖母は歯が1本もなく(虫歯の心配がない)、水分がしっかりとれるので、口の中が乾燥しないからです。

唯一しっかりやったのは、脳梗塞で入院していたとき。絶飲食(水も飲めない状態)だったので、口の中がすぐに乾燥してしまう。お見舞いに行くたびに、マウスケアをしていました。
病院でも看護師さんがマウスケアをしてくれていたとは思いますが、なにかしたいという思いもあり、やっていました。

祖母が脳梗塞で入院していたときの話も体験記(全13話)に書いています。
11|それでも祖母を家に連れて帰りたい

逆に言うと、「水分がとれない状態」こそ、口腔ケアの出番です。絶飲食のとき、飲み込む力が落ちてきたとき、体調を崩して水分量が減ったとき。そういうときは、この記事のケアを思い出してもらえたらと思います。

まとめ

  • 口の乾燥は雑菌の繁殖、そして誤嚥性肺炎につながる。
  • 口の乾燥を防ぐには、こまめな水分補給が大切。
  • スポンジブラシは「唇にちょんちょん」の合図から。上あごも忘れずに。
  • 汚れがひどければジェル。歯茎の出血を怖がって磨くのをやめない。

※この記事は看護師としての経験と一般的な知識に基づくものです。飲み込む力が落ちている方や、むせやすい方のケアは、訪問看護師さんや歯科衛生士さんに相談しながら行ってください。

看護師の経験をもとにしたケアの記事は、ほかにも書いています。
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