介護と育児が重なったとき、夫婦はどうなった?|夫の育休とダブルケアの本音

夫婦関係はどうなった ダブルケア

ダブルケアをしていることを打ち明けると、よく聞かれることがあります。

「旦那さんはどう思ってるの?よく受け入れてくれているね。」

今回は、我が家の夫の話をします。

結論から言うと、夫は「なんでも先回りしてくれる人」ではありません。
でも、寛大で、私の決めたことを否定しない人。
この人だったから続けてこられた——そんな話です。


祖母の在宅介護は、第一子が生まれた2019年から。いまは子ども3人を育てながら続けています(要介護1→現在は要介護4)。看護師として、2013年から2026年3月まで総合病院で働いていました。この記事は、その体験をもとに書いています。
プロフィール

夫は「介護」を知っている人だった

夫が小学3年生のとき、義母が脊髄を損傷しました。

それ以来ずっと寝たきりで、義父が自宅で介護をしています。

だから夫にとって、
「家族が寝たきりになること」も「自宅で介護すること」も、
特別なことじゃなかったのだと思います。

私が祖母の在宅介護を始めると決めたとき、
夫が驚かなかったのは、そういう背景があったからかもしれません。


「あなたが決めたなら、応援する」というスタイル

夫は基本的に、私の意見を尊重してくれます。
私が決めたことは応援する、というスタンスでいてくれています。

介護についても同じ。
私が決めたことは、最終的にはいつも受け入れてくれました。

祖母の年金は、家の収入の一部として使わせてもらっています。
だから夫は、介護を「私がしている仕事のひとつ」として見てくれている——
そんな感覚だと思います。

介護をしていると、排泄介助のにおいの問題や、
デイサービスの送迎による時間の制約など、
家族に負担をかけてしまう場面がどうしても出てきます。

そんなときでも夫は、嫌な顔ひとつしない。
それどころか、「ありがとう」と言ってくれる。

それが、私にとってはすごく助かっていました。


「言えばやるよ」の夫と、どう分担してきたか

夫は、自分から動くタイプではないけれど、
頼めばやってくれる人です。

今、任せているのは——

  • 夜のキッチンとリビングのリセット
  • 朝の食器の片付け
  • 子どもの園の準備
  • ごみ捨て
  • お風呂掃除

任せられることは、全部任せています。

でも、最初からこうだったわけではありません。

もともと私は、人にお願いするのが苦手。
「自分でやったほうが早い」と思うタイプでした。

それでも、何度もキャパオーバーを経験するうちに、
「これ、やってほしい」と少しずつ言えるようになって。

自分が抱えていたことを、一つずつ渡していけるようになりました。

夫に任せられるようになるまでの「手放す」過程は、こちらにも書いています。
ダブルケアが限界だった私が手放してよかったこと6つ|宅配食・洗濯機・ショートステイ


一度だけ、はっきりぶつかったこと

夫婦仲良くやってきた、と書くと嘘になります。
一度だけ、はっきりぶつかったことがあります。

2人目を出産するときの、夫の育休の話です。

私は「育休を取ってほしい」と思っていました。

でも夫のスタンスは、
「1週間くらいは有給で休むよ。育休は、辛くなったら取るよ。」

——辛くなってからじゃ、遅い。

上の子は職場の託児所に預けていたので、
産休になった瞬間から、自宅保育が始まります。

そこに、生まれたばかりの赤ちゃん。
さらに、祖母の介護。
そして、家事まで。

生まれる前から大変になるのは、わかっているのに。

しまいには、私はこう言っていました。

「じゃあ、私がノイローゼになったら、鬱になったら育休取ってくれるってこと?
もう、それが不安でおかしくなりそう。」

それを伝えて、夫は3ヶ月、育休を取ってくれることになりました。

夫との分担を含めた、我が家の1日の流れはこちらです。
ダブルケア家庭の1日スケジュール|子ども3人と要介護4の祖母がいる暮らし
介護と仕事の両立|3人目出産前まで働いていた頃の1日


「妻の役に立ちたい」と社報に載った夫

後から聞いた話です。

当時、夫の職場では、男性で育休を取った人が一人もいなかったそうです。
夫が最初に言い出すのは、相当言いにくかったらしい。

それでも夫が育休を申請したことで、
社報に取り上げられるくらいの出来事になったようで、
そのあと、職場で育休を取る男性社員が増えたとか。

その社報に、こう書かれていました。

「妻の役に立ちたかったから」

……ありがたいんだけど、ちょっと「ん?」と思う部分もあって、笑。

役に立ちたかったから、だったっけ?
私が頼み込んで、しぶしぶ取ってくれたんじゃなかったっけ?

でも、本当にありがたかったです。


介護を「否定しない人」がいるだけで、違う

振り返ってみると、うちがなんとかやってこられたのは、
夫が「介護を否定しない人」だったことが大きかったと思います。

やってくれなくてもいい。
でも、否定しないでいてくれること。
「ありがとう」「お疲れさま」と言ってくれること。

それだけで、ずいぶん違います。

介護も育児も、どちらかが全部抱えようとすると、しんどくなります。

「言えばやる」でも「頼めば動く」でも。
一緒にいてくれる人がいると、それだけで続けられる気がします。


ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

我が家のダブルケアが、どんなふうに始まって、
どんな7年だったのか——その全部を、全13話の体験記にまとめています。

ダブルケア【体験記】|なめていた私のダブルケア